不登校のきっかけ
「不登校」の理由の2番目が『学業の不振』!
今日の朝刊に「県内 減らぬ不登校」という見出しで、県教委の公表に基づく石川県の小・中学校の不登校についての記事があった。

それによると、2007年度の中学生の不登校は942人で過去最多を更新中とのこと。

これは中学生の36人に1人の割合となるので、ほぼ1クラスに1人の不登校がいることになる。

小学生は近年200人台で推移しているという。

この記事でもっとも気になったのは、中学生の不登校のきっかけだ。

「いじめを除く友達関係」(148人)、「学業不振」(135人)、「部活動・クラブ活動などへの不適応」(61人)など学校生活に関するものはやはり多いのだけど、「学業不振」というのが、塾屋としては気にならざるを得ない。

もちろん不登校の理由は多岐にわたるわけで、いってみればこのようなデータは周囲が個人のケースを統計的に分類したにすぎないものであるのだけど、それにしても「学業不振」ってのはどうにかならないものか、と思う。

塾があればいいわけではないけど、学業不振の背景には塾での勉強と学校での勉強が更に「学力の二極化」を推し進めているような気がしてならない。

子ども達のメンタルケアに本気で取り組む民間教育機関としての「塾」が、そろそろでて来てもいい時期になったのだろう。

すべての塾人はそれを視野に入れなければ、次世代への貢献は出来ないのでは?とも思う。
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再び、灰谷健次郎
高校進学率と不登校生徒のギャップ
続き
その不登校の昨年度の調査結果とあわせて、今年3月の中学卒業生の進学率が掲載されていた。
それによると、石川県の今年3月の高校進学率は98.7%で全国三位だという。
新聞記事になかったが147人が高校進学していいないということだ。
ちなみに昨年は140人だった。

毎年、進学資料集を作っている塾人は知っていると思うが、石川県の「高校進学率」は全国で1・2位を争う?くらい高いことは、一般に知られていない。
たしか一昨年は全国1位だったと記憶している。

大変「塾的」で申し訳ないが私は、私立も公立も志望校どころか、入る高校さえないと「本気で後悔しながら悩む受験生と保護者」に言ったとがある。
「石川県の進学率は全国トップクラスだから、それを下げることはしないと思うよ。君が本気で高校に入って何かやりたいと思うなら、大丈夫だよ、きっと。」
と。

たまたま、昨日の深夜TVをつけていたら灰谷健次郎さんに会うことができた。
BSのアーカイブで10年前に放送していた彼の教育シリーズだった。
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不登校児童生徒の実数
全国順位小学生10位・中学生14位は何を意味する?
先日、昨年度の石川県内における不登校の小・中学生の状況が「学校基本調査確報」で公表された。

それによると、昨年度石川県内で30日以上学校を休んだ児童生徒は、小学生は100人中0.3人、中学生は100人中2.5人でそれぞれ、全国順位では下から(少ないという意味)10位と14位だったと言う。

で、この順位ってなんだろう?と思った。
全国でも少ないほう?
だからましだって?

実数はというと、小学生340人(うち不登校191人)と中学生956人(うち不登校863人)なのである。
順位とかパーセンテージじゃないと思う。
300とか900という実数じゃないだろうか。

そして、そんなにいるの?と思うことじゃないだろうか。
もちろん、30日未満の不登校も存在するし、この手の調査結果は故意ではないにしろ実態より過少だとは誰もが思う。

知人がNPOで不登校専門の教室を運営している。
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いじめと自殺の連鎖
今朝、KECがテナントで入っている書店の駐車場で、一昨日の悪天候でしまってあった「のぼり旗」を設置していたら、駐輪場にある自転車の登録番号を控えている男の人を見かけた。
たぶん、私服の警察関係の方だろうと思いこちらから会釈したところ、昨今の子ども問題に話題がいき、ついつい立ち話をしてしまった。

彼が言うには、彼のお子さんも他聞にもれず不登校の期間が1年間あったそうで、今は、学校に復帰しているとのことだった。
そして、彼が私の話に同意しながら言った言葉が
「親は、全然子どものことわかてやれんもんやね」
だった。

私は、彼がそのことに気づいたから、お子さんは学校にまた通い始めたのだと思った。
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いじめ問題を塾はどう考えるか
塾は子ども達の「避難場所」になりうるか?
今日、友人から「いじめ」についての相談があった。

小学生のお子さんが所属するサークル内で、いじめにあっているようだというのである。
内容を詳しく聞く前にこちらから、中学生・小学生のいじめの「構図」について簡単に、児童・生徒を預かっている塾人として説明した。

いじめへの対処・解決に王道はない。
ただ、見逃さず、状況把握をできるだけ早くして、親であっても教師であってもその他それらの子ども達に関わる大人が、自分達の考えでまずは行動することが先決である。
もちろん、対処方法に正解などない。
答えの出ない問題を考えるようなものだ。

マスコミでは連日のようにこの問題が取り上げられているが、けだし、統一見解などでようはずがない。

先日ある教師の会を主催する都立の教諭が、今日的いじめの構図について説明していたが、その内容に大変共感を覚えた。
昔はいじめられる側といじめる側の構成が、1:クラス全体または1:いじめグループとなっていたが、今は、クラス全体が少人数のグループに分かれ、4〜5人の小さいグループ内でのいじめが主流となる傾向があるので、誰が誰をいじめているかがわかりづらくなっているのというものであった。
そして、いじめ回避策としては、他のグループに移動することがかなり有効であるともいっていた。

件の友人にそういった状況も伝えながら、まだ本人が深刻な心理状態に陥いらない前に、家族で相談して、ともかくそのサークルを止めることを薦めた。
いじめに立ち向かっていくようにわが子にアドバイスするか、それを回避する選択をするかで迷った末、回避する方が良いと判断し、私に意見を求めたようだった。

もちろん、我々の対応が正しいかどうかはわかならい。
しかし、親や周囲の大人が子どもを見守る目と心だけは、いくらあっても足りないのが現代社会のような気がする。

それでは塾はそのような子ども達になにができるかということである。

私の塾にも昔から、不登校やいじめ問題を抱える子どもたちが通ってきている。
保護者の方々には機会あるごとにお話しさせていただいているが、たぶん学校の先生より彼らの現状把握をしやすいのが塾での指導現場である。

昔、不登校の生徒を預かっているある塾長がこんなことを話してくれた。
「私は、何も彼らにしてあげてないです。ただ、きっと、うち(塾)に来るのは、学校や家庭で自分の居場所が見つけにくいからだと思います。ですから、彼らに居場所をつくってあげているんです。そして、自分達の思うようにしてもらっているだけです。」

私の不登校の子ども達に対するスタンスは、いまでもその塾長の言われた通りにしている。

さて、いじめ問題については塾はどう有機的な存在足りうるか。

もちろん、それが日々の塾の課題でもある。

9月から、KECが加盟している「社団法人全国学習塾協会」の主催で「学習塾に通う子どもの安全対策セミナー」が全国7箇所で順次開催され、報告が届いている。

学力を伸ばす基盤は子ども達の精神的環境保全であることは、識者の言を待たずとも明白なことではある。
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