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太宰治といふ人
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2009.06.22 Monday 10:25
Osamu Dazai in a photo found recently
At the time、Dazai was 16 years old and a third−year student at the school.
In the photo,Dazai is standing in the second row with his arms folded.
He is wearing a merit badge on the left of his
blazer and an armband signifying he is homeroom class president on his left arm.
と、いうわけで、生誕100年を迎えた太宰の写真が新たに見つかった。
「太宰の写真」といえば、彼が行きつけだった銀座のバーで酔いながら撮ったものが有名だけど、これは彼が旧制中学3年の16歳のときのクラスの集合写真。
で、今回トピックスになったのが、学生服(blazer)の左胸には「優等生バッジ(merit badge)」、唇を真一文字に結びながら組んだ腕には「級長(homeroom class president)」の腕章が映っていること。
デカダンの代名詞のような太宰ではあるけれど、中学の青春時代はそれとは逆に、輝かしく自信に満ちた表情さえ見せている。
もっともこの後、「旧第一高等学校(東大の前身)」の受験に失敗し、「旧弘前高校(弘前大)」に行くという挫折を経験することになるのだけど・・・・。
いつの時代にも言われる修辞を思い出す。
「・・・・・・・・、あんなにできた子がねぇ・・・・・・・・。」
ま、彼に言わせれば「ほっといてくれ!」だろう。
もって生まれたものか、環境からの感化なのか、人の一生はその人でさえ判らないのではないだろうか。
そういえば、太宰の「生誕」と「命日」が同日になっている。
これは、玉川上水で心中したのが、6月13日で死亡推定が14日、発見されたのが39歳の誕生日である6月19日という、偶然?によるもの。
19日は、太宰の葬儀をした東京三鷹では「桜桃忌」といっていわゆる法事をする「命日」だけど、故郷の青森では現在は誕生を祝う「生誕祭」としているようだ。
高校卒業後、東大の仏文科に入ってもフラ語がまったくできなくて、左翼運動に傾倒していく太宰も、英語は得意科目だったようだ。
彼の自殺が39歳(数え40歳)になる直前で、しかも、「もう書けない。」といってたらしいユーモア小説(グッド・バイ)の連載途中であったから、こんな洒落を彼の最後の言葉にするのもアリだろう。
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