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いじめ問題を塾はどう考えるか
塾は子ども達の「避難場所」になりうるか?
今日、友人から「いじめ」についての相談があった。

小学生のお子さんが所属するサークル内で、いじめにあっているようだというのである。
内容を詳しく聞く前にこちらから、中学生・小学生のいじめの「構図」について簡単に、児童・生徒を預かっている塾人として説明した。

いじめへの対処・解決に王道はない。
ただ、見逃さず、状況把握をできるだけ早くして、親であっても教師であってもその他それらの子ども達に関わる大人が、自分達の考えでまずは行動することが先決である。
もちろん、対処方法に正解などない。
答えの出ない問題を考えるようなものだ。

マスコミでは連日のようにこの問題が取り上げられているが、けだし、統一見解などでようはずがない。

先日ある教師の会を主催する都立の教諭が、今日的いじめの構図について説明していたが、その内容に大変共感を覚えた。
昔はいじめられる側といじめる側の構成が、1:クラス全体または1:いじめグループとなっていたが、今は、クラス全体が少人数のグループに分かれ、4〜5人の小さいグループ内でのいじめが主流となる傾向があるので、誰が誰をいじめているかがわかりづらくなっているのというものであった。
そして、いじめ回避策としては、他のグループに移動することがかなり有効であるともいっていた。

件の友人にそういった状況も伝えながら、まだ本人が深刻な心理状態に陥いらない前に、家族で相談して、ともかくそのサークルを止めることを薦めた。
いじめに立ち向かっていくようにわが子にアドバイスするか、それを回避する選択をするかで迷った末、回避する方が良いと判断し、私に意見を求めたようだった。

もちろん、我々の対応が正しいかどうかはわかならい。
しかし、親や周囲の大人が子どもを見守る目と心だけは、いくらあっても足りないのが現代社会のような気がする。

それでは塾はそのような子ども達になにができるかということである。

私の塾にも昔から、不登校やいじめ問題を抱える子どもたちが通ってきている。
保護者の方々には機会あるごとにお話しさせていただいているが、たぶん学校の先生より彼らの現状把握をしやすいのが塾での指導現場である。

昔、不登校の生徒を預かっているある塾長がこんなことを話してくれた。
「私は、何も彼らにしてあげてないです。ただ、きっと、うち(塾)に来るのは、学校や家庭で自分の居場所が見つけにくいからだと思います。ですから、彼らに居場所をつくってあげているんです。そして、自分達の思うようにしてもらっているだけです。」

私の不登校の子ども達に対するスタンスは、いまでもその塾長の言われた通りにしている。

さて、いじめ問題については塾はどう有機的な存在足りうるか。

もちろん、それが日々の塾の課題でもある。

9月から、KECが加盟している「社団法人全国学習塾協会」の主催で「学習塾に通う子どもの安全対策セミナー」が全国7箇所で順次開催され、報告が届いている。

学力を伸ばす基盤は子ども達の精神的環境保全であることは、識者の言を待たずとも明白なことではある。
| SHIGEHARU FUJITA | | comments(0) | trackbacks(0) |
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