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2018年度高校入試情報

錦丘、倍率沸騰が示す今年の入試動向!

公立入試志願倍率徹底分析!

昨日、公立高校の出願倍率が公表された。

 

そして誰もがびっくりしたのは、例年普通科の最高倍率となる桜丘を抜いて今年は錦丘が1.78倍という高倍率になったことだ。

 

これは、近年の実質倍率では一昨年の桜丘の1.68倍や平成24年の錦丘の1.69倍をはるかに超える、過去最高倍率でもある。

 

もっとも、錦丘は他の公立高校と比べ中高一貫により定員が200人と泉丘や二水の半分しかないのでもとより狭き門ではあるが、今年は203人の募集定員に357人の志願者となり予定不合格者は154人にも上る。

 

予定不合格者数だけ見れば、今年も1.65という高倍率の桜丘では募集定員が360人なので不合格者が235人となり錦丘よりはるかに激戦といえるが、泉丘や二水と比べれば今年の錦丘が如何に狭き門かということがわかる。

 

また錦丘とともに今年倍率が大幅増したのは定員削減となった西の1.50倍で、不合格者も159人となる。

 

つまりこれは偏差値50〜55の高校の倍率が高騰したということであり、それと同時に難関である桜丘を始め泉丘や二水も例年通り1.3倍前後で上位難関校は全て高倍率を維持しているということにもなる。

 

この傾向は受験生の上位校志向の表れであり、今年度7回にわたり実施された総合模試でも初回からその傾向は顕著だった。

 

今年2年連続で130人ほど受験生が減少している金沢周辺の県央地区では、募集定員が変わらない最難関の泉丘を始め二水・桜丘の人気が高く、前年より模試の合格基準偏差値を上げても志望状況は過熱気味であった。

 

その結果、受験者数減にもかかわらずこれら3校の倍率は昨年とほぼ同様となり、さらにそれらの激戦を避けて中堅の錦丘や定員削減した西の倍率が高騰したということになる。

 

また進学校としては野々市明倫の倍率も昨年より上昇したが、今年は金商をはじめとする職業系の人気が激減した。

 

これは、今年の受験生が2020年以降の大学入試改革の最初の受験生にもなることが、その大きな要因といえるだろう。

 

県央地区の激戦の反面、200人以上も受験生が減少した小松・加賀の県南地区では、小松が過去最低倍率だった平成20年の1.14倍を切る1.11倍となった他、どこも倍率減が目立った。

 

一方、倍率が上がったのは定員削減した小松明峰が昨年の1.21倍を超える1.24倍に上がり、昨年定員割れした大聖寺や1倍だった小松商業がそれぞれ1.16倍と1.27倍と倍率増となった。

 

また150人の受験者減となった七尾・能登の県北地区でも、七尾や羽咋、鹿西がようやく定員を確保できる低倍率の中、田鶴浜の看護だけは昨年の1.40倍を超える1.60の高倍率となり、医療系への人気が根強く表れている。

 

志願変更は金曜日から来週火曜日。

 

今年は石川高専の合格者の願書取り下げ以外は、学校間の移動はあまり見られないだろう。

 

ただし、小松は国立高専合格者を除くと1.1倍を切るので、明峰から移動の可能性があるだろう。

 

さて、県南・県北の倍率変化はともかく、県央地区の高倍率に関して一言。

 

高校入試では偏差値50〜55の高校において、倍率が高騰しても受験生の学力差はほとんどない。

 

つまり合格安全圏の受験生割合が、他の難関校よりも少ないということだ。

 

よって、受験生全員にリスクがあると同時にチャンスもあるということだ。

 

そして実は、合格安全圏の受験生がそれほど多くない上位3校についても同じことが言える。

 

先日のブログや日曜日の「合格塾」の入試予想でも言及したように、例えば泉丘でも偏差値57〜65まで同じ偏差値で合否が分かれるし、桜丘でも50〜60まで合否が分かれる。

 

入試まであと2週間。

 

迷うことなく不安を払しょくするために寸暇を惜しんで最後の受験勉強にまい進する者全員に、成功がもたらされるだろう。

 

みんなにリスクがあるから、みんなにチャンスがある!

 

以下、主な人気校(工業系除く)の志願者数

高校名 定員 志願者 不合格 倍率 昨年 5年平均
泉丘 400 508 108 1.27 1.28 1.25
二水 400 529 129 1.32 1.37 1.26
桜丘 360 595 235 1.65 1.63 1.55
錦丘 203 357 154 1.76 1.51 1.42
西 320 479 159 1.50 1.30 1.30
明倫 280 342 62 1.22 1.15 1.18
伏見 280 332 52 1.19 1.30 1.18
金商 210 252 42 1.20 1.46 1.34
北陵 178 209 31 1.17 1.33 1.15
小松 320 356 36 1.11 1.22 1.24
明峰 240 297 57 1.24 1.21 1.13
大聖寺 160 186 26 1.16 0.93 1.06
小松市普 143 147 4 1.03 1.07 1.11
七尾 240 244 4 1.02 1.09 1.07
羽咋 200 209 9 1.05 1.09 1.09
鹿西 120 121 1 1.01 1.04 1.02

 

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