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教育NEWS

2020年度小学校新指導要領で変わる!

来年度から小5に「速さ」が下りてくる!

分数の四則計算は6年生からに!

個別最適化教育と「縛り」

来年度から全面実施される小学校の新指導要領で新しくなるのはいうまもなく、英語の教科化とプログラミングの必修化。

 

しかし、実はもっと変わるといってよいのが高学年の算数だろう。

 

今年度から各小学校では、小5の1学期で学習する分数で足し算や引き算は飛ばされている。

 

なぜなら来年度から実施される新指導要領では、分数計算はすべて6年の学習範囲に変更されるので移行措置期間である今年度の小5算数では、分数の足し算や引き算を習わないからだ。

 

そして、従来6年生の2学期の学習単元である「速さ」が、来年度の教科書では5年生の「量と測定」に前倒しされることになっているので、移行措置期間の今年度は5年生の2学期の今、「速さ」を習っている

 

「速さ」は中学入試では最も重要な単元であり、例えば近年難化傾向にある錦丘中学入試の適性検査問題の算数や、人気上昇の星稜中学入試の算数でも「速さ」の出題は定番となっている。

 

もちろん中1の方程式の文章題では、「距離・速度・時間」が最重要課題であることは言うまでもない。

 

なので6年の2学期の「速さ」の習熟は、学習塾にとっても力が入る単元ともいえる。

 

しかし「速さ」の単元が5年生に降りてくるとなると、話は変わってくる。

 

なぜなら、「距速時」の問題で答えが分数になる分数解ができないからだ。

 

例えば以下のような問題は小5には解けないことになる。

 

朝8時に家を出て140キロ離れた観光地まで時速60キロで行くと何時につくか?

 

6年生はすでに分数の四則計算を習っているので、140÷60=2⅓としてさらに⅓×60=20で2時間20分、10時20分に到着するとだせるけど、来年度からの5年生は分数計算を習わないのでこれはできないことになる。

 

もっとも時速60キロを分速1キロに換算すれば140分=2時間20分正解できるけど、時速80キロは整数や小数に換算できなので分数計算となり5年生にはできない。

 

よって小5の「速さ」で距離÷速度で求める時間は、整数解か小数第一位が5の小数解しかないことなる。

 

実際、来年度から使用される教材会社の「速さ」の問題を見たら、分数解を導く問題はない。

 

だから移行措置である今の5年生には、6年生版の速さの問題が使えないということだ。

 

ということが、今日5年生を指導していて気が付いた次第。

 

ま、小学生なので全く問題はないけれど、21年度から教科書改訂になる今年の中1生は、数学で3学期の「資料整理」に累積度数が追加され、理科でも同じく3学期の学習範囲となっている「力と圧力」で水圧(パスカルの原理)が3年次に移行する代わりに、3年の「力のつり合い」が1年次に降りてくることになっているし、現6年生は移行措置2年目となるのでさらに厄介なことになるだろ。

 

英単語や漢字の履修数が増加するのはわかるけど、学年間での移行に何の意味があるのか、教科書改訂のたびに思う。

 

 

ところで先日、レポートすると言っておきながらしていない「北陸大学」主催の「ICT教育セミナー」では、日本最先端の中学校教育革命(ちょっと大袈裟?!)をしている例の「東京都千代田区立麹町中学」が取り上げられていて、数学は全員に配布されている『Qubena』というAIタブレット教材で学習している様子が紹介されていた。

 

AI教材だからして理解や習熟が苦手な生徒は自動で「さかのぼり学習」ができるし、もっとすごいのは理解の速い生徒は「飛び級学習」ができることだ。

 

プレゼンターの『キュビナ』を開発した「COMPASS」のCEO神野氏によれば、麹町中の工藤校長は数学教師としての自分はいらないと言っていたという。

 

AI教材を活用することによって、一人ひとりに合わせた「アダプティブ・ラーニング」ができるし、「指導要領」にある授業案の時間数も大幅に短縮され、「働き方改革」にもつながるとの報告もあった。

 

政府が盛んに唱える『SOCIETY 5.0』におけるキーワードの一つに「個別最適化教育」があるけれど、この「アダプティブ・ラーニング」は、まさに学年を越えた「個別最適化」ともいえるので、「教育指導要領」における履修内容の「学年縛り」の自由化が必要だというようなことを、セミナーのパネラーでもある経産省の室長も発言していたことを合わせると、そもそも指導要領なんてあくまで「基本原則」であって、縛られるものではないのではと思う。

 

 

と、5年生に「速さ」をどこまで(6年生扱いで?)教えようかと迷っていたことが、実にちっちゃいことだと気が付いた次第。

 

次回、分数の乗除を10分で理解してもらえば小6の教材がつかるってことだね!

| SHIGEHARU FUJITA | - | comments(0) | trackbacks(0) |
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